Urban Sound Tool-Prototype02/03-

hazuki ota
Jun 25, 2021

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-Prototype №02-

-Prototype №02-
Material

Washi(Black)
Hatome 10mm
Colored strings(7mm)
Plastic waste(vinyl)
Carabiner(Black)

-Prototype №03-

-Prototype №03-
Material

Mermaid paper(Black)
Hatome 10mm
Colored strings(7mm)
Plastic waste(vinyl)
Carabiner(Black)

構造
前回のFBから今回は素材を紙に変更し、紙の種類で集音構造を思索していく。構造に今回は折り紙の吉村パターンを参考にした。
吉村パターンは円筒を上下からつぶしたときに現れる変形構造であり、 折り目は直角二等辺三角形が連続したダイヤモンド型のパターンになる。昭和26年(1951)に工学者の吉村慶丸が見出した。 このパターンを施した円筒構造は横方向からの圧縮に強く、最近では建築などにも多く利用されている。吉村パターンは角度の調整によりドーム型の空間が生まれる。また折り畳むことができるため、都市に介入しやすい点から採用した。

素材

日本の生活においては、サウンドスケープは常に重要な役割を培ってきた。茶の宗匠は釜で音楽を奏で、庭師は水の戯れを耳に心地良く響かせるため、庭に水車や共鳴壺を仕掛けるという。
このような感性がどのようにして培われたのかをあれこれ考えているうちに、おそらくそれは、和紙を使った壁と窓でできた家に住んでいるためだろうという結論に至った。紙の窓は、ガラスの窓とは全く違う。ガラスは音をさえぎる。けれども紙ならば音はもれ聞こえてくる。紙の窓には耳の意識がはたらいているのだ。

サウンドスケープを提唱したRaymond Murray Schaferの「世界の調律」の中で述べられている。かつて日本において重要な役割を担っていた紙の窓を参考に今回は和紙とマーメイド紙などを採用した。

movable向上

都市介入
2021/06/04 @yokohamastation
№02

障子のような薄さが、日本家屋のような落ち着きを与えてくれると思ったけどはっきり声が聞こえる分、不安感がすごかった
見えない周りの状況でうっすらと光が漏れてたから
もしかしたら自分の悪口言ってるのかも?
笑われてるのかもしれないと感じた
風の音が怖かった、まじ恐怖

Prototype №02

2021/06/04 @yokohamastation
№03

音がぼやけて聞こえる。
近くの声ははっきり聞こえる。
他の音がぼやけて聞こえるから
バックミュージックみたいになる
堂々とできるし、落ち着くし、
部屋に入った感覚に陥った

Prototype №03

2021/06/04 @yokohamastation
№04

寝てしまいそうな、
ドローンがずっと響いて、
電車のガタンゴトンが心地良くて、
何もしないで1時間くらいいたい気分
完全に視界が遮断されているから

Prototype №04

考察
Schaferが紙の窓について述べていたこともあり、和紙は都市の音を心地よく集中できる空間として聴取できると思っていたが、「恐怖」「不安」というワードが見受けられた。そもそも Schaferが語っている日本のサウンドスケープが重要な役割を果たしていた時代は、現代とはかなり違う音環境を指している。そもそも現代では紙の窓は騒音問題の一端を担っており、物音や話し声が丸聞こえのため、障子を違う素材に張り替える家屋も増えている。かつては障子は耳の意識を働かせる役目を果たしていたが、「恐怖」「不安」という感情が生まれているのは、現代の煩雑化した音環境の対策として音と個人を遮断するアプローチ(ノイズキャンセリング/ガラス窓コンクリートなどを用いた建築)に慣れた私(たち)の現代の窓なのであろうと推測できる。無意識に聴取領域が侵害されていることに気づかず、受け入れてしまっている聴覚文化を改めて体験した。

Movie/Sound
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